第18回 関西部会講演会 (2023/6/30) 終了の挨拶

 第18回関西部会講演会は、2023年 6月30日(金)に、AP大阪茶屋町 Gルームを講演会場として、Teamsによる遠隔視聴を併用したハイブリッド形式で開催させて頂き、多くの方にご参加を頂き、盛況に開催でき無事終了致しました。心より御礼申し上げます。

今回は、近年実用化しつつあるドローンに関して、海のドローンともいわれる自律型無人潜水機についての最新の開発状況や、近年のスマートマニュファクチャリングの実現に向けて様々なコンソーシアムが活動されており、その活動内容や活用事例について、企業でビジネス展開されておられる方にご講演をして頂き、また、関西部会幹事会メンバーとして活動しています幹事企業から会社紹介と事業内容について紹介させて頂きました。

最初に講演1として、
川崎重工業株式会社 エネルギーソリューション&マリンカンパニー 船舶海洋ディビジョン エグゼクティブフェロー(潜水艦・AUV関連技術担当) 湯浅 鉄二 様に【海のドローン(自律型無人潜水機)の概要と弊社での開発並びに今後の展望】のテーマでご講演をして頂きました。
最初に、無人潜水機には遠隔操作型(ROV:Remotely Operated Vehicle)と自律制御型(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)があり、それぞれの特徴(長・短所)やAUVの短所を補う要素技術(省エネ、非接触充電、精密自律制御、水中光通信)についてご紹介頂きました。次に、川崎重工様がAUV開発に至る経緯や具体的に開発されている海底油田設備での作業型AUVについて、開発されている基盤要素技術やAUVをサポートするドッキングステーションの概略仕様、開発時の非接触充電デモンストレーションや大容量信号伝送デモンストレーションの状況もご紹介頂きました。2018年度から英国スコットランドの海中試験場にて、ドッキング試験を実施され、実用化に向けて国交省補助事業としてロボットアーム(パイプ検査用)とITU(Inspection Tool Unit)を装備したプロトタイプ AUVを開発された。その後商用化に向けて開発されたAUV:SPICE( Subsea Precise Inspector with Close Eyes)について、実施された試験(パイプ捜索、パイプトラッキング、ドッキング)や高評価であった試験結果についてもご紹介頂きました。現在は、北海油田向けに英国/MODUS SUBSEA SERVICES LIMITEDから受注され(2021.5.18公表)、今後は、洋上風力発電設備検査への事業展開も計画されている。最後に、AUVを含めて海洋ロボティクスの国家戦略として戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 「革新的深海資源調査技術」についてもご紹介など、幅広い内容をご講演して頂きました。

次に講演2として、
三菱電機株式会社 名古屋製作所 開発部 規格標準化推進グループ 専任 茅野 眞一郎 様に【スマートマニュファクチャリングの動向とその達成度に関する評価】のテーマでご講演をして頂きました。
最初に、スマートマニュファクチャリングに関連して話題となった言葉(IT、ICT、M2M、IoT、DX、CN等々)と関連団体とその活動内容について、黎明期:1980~2000年のM2M・IoTライクなシステムから第4次産業革命: ものづくりにおける革命(産業革命の4段階)、Industrie 4.0の目標とその背景、アクションそしてものづくりにおける諸外国の動きや日本のIoT化の取り組み、Society5.0とConnected Industriesの位置づけ、ものづくりにおける日本の動きなどをご紹介頂きました。また、スマートマニュファクチャリングの深化としてカーボンニュートラルの活動についてもご紹介頂きました。次に、Industrie 4.0、スマート工場、スマート製造、産業IoT、製造DX、環境GXなどが進む中での製造現場のみえる化についてその背景や課題、また製造現場のみえる化/IoT化の評価指標(物差し)の一つとして16個のマス(みえる化の4レベルと管理対象の4レベル)で表すSMKL(Smart Manufacturing Kaizen Level)や国際標準であるISO 22400で規定されている38個の産業用KPI(Key Performance Indicators)、そしてKPIの活用方法、事例をご紹介頂きました。また、SMKLの海外展開としてSMKL指標を使って現場改善を実施するユースケースの国際標準化への提案活動やKPIの活用評価事例として、IAF-CLiCの提唱するKEIモデル((予実管理を主眼に置くKPIモデル(KPI Element Information Model))と実証システムとして二酸化炭素排出量計測システムもご紹介など、幅広い内容をご講演して頂きました。

次に、関西部会幹事会の西菱電機株式会社から、事業内容やJR東海様向けや防災向けシステム、AI活用事例として、駐車場満空監視、逆走検知システムなど、また、鳥取大学とAIを活用した行動認識技術の共同研究内容についてご紹介をして頂きました。

また、最初に小泉理事長にはご挨拶とM2M・IoT研究会の活動状況についてご紹介して頂き、最後に関西部会の中島監事代理から講演会終了の挨拶にて締めくくり、盛大に開催を終えることができました。

講演会後に開催しました交流会では、湯浅様、茅野様にもご参加頂き、ご講演者の方々とのお話や、参加された皆さん相互でのお話が進み、楽しく有意義な情報交換・交流の場として開催することができました。

講演会、交流会の開催に際しましては多くの方々のご協力を得て開催させて頂くことができました。真に有難うございました。深く御礼申し上げます。
引き続きM2M/IoTに関する最新事例・技術研究を進めて応用ビジネスの発掘・展開に繋がり、関西地区の活性化に少しでも貢献できるように活動を進めさせて頂きますので、ご協力・ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
なお、会員向けの講演資料など、準備が整い次第、ホームページにアップロードさせていただきます。

2023年 7月 6日 NPO法人 M2M・IoT研究会 関西部会長 西村 雄二

講演会写真