NPO法人M2M研究会 第8回専門部会セミナーの御案内
-特別講演とM2M活用学生実験・応用研究の実践-
1.開催案内
1)日 時
2014年4月19日(土) 13:00~17:50(受付開始:12:30)
交流会 18:00~19:00
2)会 場
芝浦工業大学 大宮キャンパス 5号館2階5274教室および
IKOBA(アクティブラーニング室)
3) 参加費
セミナー参加費:M2M研究会会員:1,000円,非会員2,000円, 学生無料
交流会参加費:2,000円(学生無料)
(当日、M2M研究会への入会も受け付けております)
4) 参加申し込み
下記のページからお申込みください。
5) 主 催
M2M研究会 教育専門部会
【共賛】ビジネス専門部会・技術専門部会・学術専門部会
2.プログラム
Ⅰ.挨拶
(1) 開会挨拶・・・・・・・・・・13:00~13:05
M2M研究会理事長
小泉 寿男
M2M研究会理事・教育専門部会部会長
市村 洋
(2) 開催校挨拶・・・・・・・・・・13:05~13:15
芝浦工業大学 副学長・システム理工学部生命科学科 教授
米田 隆志 先生
(3) 来賓挨拶・・・・・・・・・・13:15~13:30
公益社団法人 日本工学教育教会
剣持 庸一 先生
Ⅱ.講演
(1) 特別講演・・・・・・・・・・13:30~14:30
「地域ぐるみで高齢化社会を乗り切ろう!
『疾病管理MAP』が開く多職種協働とICTのあらたなコラボレーション」
日本慢性疾患重症化予防学会 代表理事
千葉県立東金病院 院長・医学博士
平井 愛山 先生
<講演概要>
我が国は、先進国の中で最速で少子高齢化社会を迎えようとしている。その中で、日本が世界に冠たる我が国の社会保障システムを、どのような方法で、守り存続させる事ができるのか、世界中が注目している。今回は、少子高齢化時代の社会保障システムの抱える課題、特に医療費の高騰をはじめとする課題をどのようにして乗り越えることができるのかについてお話したい。この1、2年、急増する医療費の相当な部分をしめる糖尿病をはじめとする慢性疾患の重症化を予防する事が、国を挙げての医療政策上の急務となっている。今回は、当院がこれまで取り組んできた、多職種協働のあらたな情報基盤である『疾病管理MAP』を活用した糖尿病透析予防指導について、医師・看護師・栄養士の取り組みとその成果を中心にご紹介する。
◆◆◆休憩(10分)◆◆◆
(2) 技術専門部会・教育専門部会報告・・・・・・・・・・14:40~14:55
「M2Mシステム構築法の提唱とプロトタイピング」
NPO法人M2M研究会教育専門部会部会長補佐
大江 信宏
<講演概要>
多数のセンサーや機器をインターネットに直接接続し、人手を介させずに、様々なサービスを提供するM2Mシステムは、センサ技術,インターネット技術,情報処理技術の融合であり,横断的なシステム技術として、今後のインフラとなると見込まれている。M2M研究会では、比較的容易にM2M応用システムが構築され,利用され,技術開発,教育支援,ビジネスの創生にも役立つことを狙いとして、システム構築法を提唱し、かつそのプロトタイピングの体験によりM2Mシステムの応用、システム構成要素等のアイデアとニーズ創出を目指している。構築法には教育用とビジネス/研究用とがあり、教育用は、IT理工系、IT以外理工系、文系の学生を対象とすることで、様々な分野からのアイデアやニーズの創出を狙っている。本報告では、主として教育用のプロトタイピングについて、その狙い、構成、応用対象、具体的方法等について報告する。
Ⅲ.学生研究発表会講演 その1(概要説明)
・・・・・・・・・・14:55~16:30 (6分/件)
(1) M2M活用によるLED光源を用いた水耕栽培の遠隔監視システム
サレジオ工業高等専門学校 機械電子工学科4年
(米盛弘信・長尾明美研究室)飯島卓弥
<概要>
近年,耕作放棄地が社会問題化するなど,農業に対する過疎化が深刻化し,農作物の生産量が低下している。その背景には,農民の高齢化や地球温暖化による異常気象が関係すると考えられる。一方,福島第一原発事故による放射性物質の拡散により,食の安全性に対する消費者の懸念が深刻化している。そこで筆者らは,天候に左右されず,年間を通じて安全・安心な農作物が収穫できる水耕栽培に着目した。また,農業人口が減少傾向である昨今,農作物の育成を遠隔監視できる農業ICTが必要と考えられる。本発表では,LEDを用いた水耕栽培を遠隔監視する一事例として,携帯端末やPCで手軽に栽培状況を把握できるM2Mシステムの検討を行う。
(2)洗濯物の乾き具合・天気情報を通知するシステム
拓殖大学工学部 情報工学科4年
(早川栄一研究室) 金森 一真,
バン・デル・ストラーテン・ダニエル,倉片 謙太郎
<概要>
角ハンガーを利用し、利用者の住んでいる周辺の外気温、湿度、風の強さ、洗濯物の乾く時間を表示することのできるデバイスである。 角ハンガーには温度センサ、湿度センサ、風速センサが取り付けられている。風速センサは、Arduinoを用いて作成をした。Arduinoから得られる5V電源に接続された抵抗に、シリコングリスで温度センサを接着した。風が吹くと抵抗の温度が下がるため、その抵抗の温度によって風の強さを判断する風速センサを作成した。 洗濯物の乾く時間は、濡れたタオルを一枚干した時に何分間で乾くのかという実験を行い、その結果からおおよその時間を表示している。
(3)M2Mを活用した太陽光発電設備の遠隔監視システムに関する一検討
サレジオ工業高等専門学校 情報工学科5年
(米盛弘信研究室)鈴木 嘉晃
<概要>
現在,自然エネルギーを利用した発電方法として,太陽光発電が注目されている。しかし,太陽光発電に用いるPVモジュールやパワーコンディショナーは,経年劣化などによって様々な不具合の発生が懸念される。そこで,M2M技術を活用して気温や日射量などの気象データ,PVモジュールやパワーコンディショナーの電圧・電流値,PVモジュール自体の温度など,発電に関わる諸データを小型コンピュータに蓄積して解析することで不具合の早期発見ができれば有用であると考えた。本発表では, PCやスマートフォンで発電に関わる諸データを手軽に監視できる太陽光発電設備の遠隔監視システムについて検討する。
(4)M2Mシステムにおける イベント駆動に基づく効率的データ収集方式
早稲田大学大学院 国際情報通信研究科 修士1年
(白鳥則郎研究室)薛 浩
<概要>
機器の接続数が多い大規模M2Mシステムでは,データ収集と蓄積のためのコストが問題となる.この問題を解決するためのイベント駆動データ収集方式を提案する.本提案方式は,M2Mゲートウェイにおいて,データの集約計算と集約データのM2Mサーバへの送信を行うと同時に,詳細データの変化があらかじめ設定した条件と合致した場合は,一時蓄積した詳細データをサーバに送信する.これにより,平常時はデータ容量を削減すると共に,異常発生時の詳細データをサーバに収集し詳細分析を行うことができる.また,データ収集のための条件を変えることによって,アプリケーション毎に異なるデータ収集を実現することができる.
(5)小型飛行船の遠隔制御におけるZigbeeやWiFi通信の活用
東京電機大学大学院 未来科学研究科
ロボット・メカトロニックス学専攻 修士2年生
(汐月哲夫研究室)柴田 拓明,三浦 達郎,橋 俊平
<概要>
飛行船は長時間ホバリングが可能なため、災害時のようなイン
フラ整備が不十分な状況での遠隔監視など様々な応用が検討されている。しかし、その特性上風などの外乱に弱いため位置や姿勢の制御が必要であるが、重量制限のため機材搭載を最小限にする必要がある。本報告では、計測・制御のための各種センサを搭載した飛行船を地上のパソコンで遠隔制御する実験環境構 築の事例を報告する。飛行船にはWiFi通信機能付きカメラとZigbee通信機能付きモータ制御器を搭載し、地上PCとの間で画像情報、制御指令情報を交換することにより無線通信系を介したフィードバック制御系を実現する。
(6)植物の育成とモノづくりを組み合わせた教育支援システム
芝浦工業大学大学院理工学研究科 システム理工学専攻 修士2年
(井上雅裕研究室)米持 琢也
<概要>
小中学校では教育の一環として植物の栽培を行っている.目的としては,自然に親しみ,見通しをもって観察,実験などを行い,自然の事物・現象について理解を図り,科学的な見方や考え方を養うことである.本研究では,学校教育の一環である植物の栽培を行う学校を対象とした,植物栽培キットを組込んだ教育支援を行う.キットを用いて植物の栽培を自動化することを目的とせず,生徒が栽培キットを扱うことで電子工作への関心の向上,栽培の支援を行う.また,生徒がArduinoとセンサの取り付け等を自ら行うことでモノづくり,科学、物理学の興味を引かせることを目的とする.本研究では植物栽培キットを開発し,実環境での検証実験による評価を行う.
(7)M2Mシステムにおける ルールベース自律分散制御方式
早稲田大学大学院 国際情報通信研究科 修士1年
(白鳥則郎研究室)李 斌
<概要>
M2Mシステムでは,すべての機器データをサーバに収集し,サーバから機器を遠隔制御していた.しかし,接続される機器数の増大に伴い,ネットワーク負荷の増大,遠隔機器制御の遅延,複数のアプリケーションによる制御の競合などの問題が発生する.本研究では,これらの問題を解決するためのルールベース自律分散制御方式を提案する.本提案方式は,トリガとアクションから構成される制御ルールに基づき,インテリジェントゲートウェイが自律的に機器を制御する.これにより,ネットワーク負荷の増大と制御遅延を回避する.また,インテリジェントゲートウェイにおいて制御ルールを事前チェックすることにより制御競合を回避する.
(8)行動センシングによる認知症の早期発見システム
芝浦工業大学大学院理工学研究科 システム理工学専攻 修士2年
(井上雅裕研究室)阿部 雄乙
<概要>
認知症は同居の家族が高齢者の行動の変化に気づくことで発症だと分かることが多い。そのため、独居高齢者の認知症の早期発見が困難であるといった問題がある。本研究では独居高齢者の認知症の早期発見を行うシステムの提案を行う。提案システムは、独居高齢者の住居にセンサを設置し「ガスの消し忘れ」や「転倒」といった認知症の初期に見られる行動を取得することで「認知症の疑い」を判定する。また、「認知症の疑い」を判定する分析手法は、実際の認知症患者の行動データを元に作成を行う。評価では、認知症患者のモデルを作成し、シミュレーションによって分析手法の評価を行う。
(9)Bluetooth Low Energyを使用したセンシングシステム
鶴岡工業高等専門学校専攻科 機械電気システム工学専攻 専攻科2年
(佐藤淳研究室)昆 憲英
<概要>
後報として記載します。
(10)屋外環境における熱電変換素子を用いた靴内温度差発電に関する検討
サレジオ工業高等専門学校専攻科 生産システム工学専攻 専攻科1年
(吉野純一研究室)小池 友亮
<概要>
本研究室はアクティブRFIDタグを使用した高齢者や児童の安否
確認システムを検討している。またアクティブRFIDタグの電池切れ防止のために熱電変換素子を使用した温度差発電によるバッテリレス駆動方式を提案している。アクティブRFIDタグ 発信に必要な温度差は6[℃]である。 先行研究では、外出時などに必ず履く靴に着目し、靴内の温度と靴外温度による温度差発電を検討した。靴内温度は(33.9[℃])と示された。本研究では、先行研究で考慮されていなかった屋外での地面からの熱が靴に与える影響を考慮した温度差発電について検討する。
(11)強化学習ロボットを活用した介護予防運動システム
東京工業高等専門学校 情報工学科5年
(鈴木雅人・北越大輔研究室)大塚 信吾・井上 喜覚・井村 洋幸
<概要>
超高齢社会を迎えた日本では,要介護者の増加を防ぐ取り組みである “介護予防”に関する研究が盛んになりつつある。 本研究では,介護予防の枠組みに,HAI(Human-Agent Interaction)の概念と強化学習を導入した介護予防運動システムを提案する。HAIの導入によって ロボットを身近に感じることができ,強化学習の適用で自発的・ 継続的に適切な量の運動を行うことが期待できる。提案システムの実現へ向け,高齢者を対象とした実験を行い,提案システムにおける介護予防効果や継続利用可能性について評価する。
(12)簡易脳波計による記憶作業時におけるフィードバック学習システムの試作
湘南工科大学大学院 電気情報工学専攻修士2年
(吉田幸二研究室)平井 章康
<概要>
近年,従来のような高価で大掛かりな装置だった脳波計から,脳科学分野や技術の発展により,安価かつ非侵襲的に脳波を測定できる簡易脳波計が登場してきた.本論文では,簡易脳波計を用いて脳波情報を取り入れた遠隔教育における指導支援にフィードバックできるシステムの構築を検討し,記憶作業中に取得した脳波情報から記憶作業に関して推定するのに有効であると考えられる指標を用いたフィードバックシステムを試作,比較実験を行った.その結果,フィードバック学習システムの有無で記憶に関する認知課題の正答率に変化が見られ,記憶の度合いを測る指標として有効であるデータが得られた.またシステムとしても有用性を得られた.
(13)高齢者と子どもへの会話型ロボット活用実験の発話語数分析による考察
創価大学 文学部 人間学科 3年
(前創価女子短期大学亀田多江ゼ)板橋 秀美(2014.03卒業)
<概要>
本研究室では,高齢者支援・幼児教育支援にNEC製のコミュニ
ケーションロボットPaPeRoを活用する研究を行ってきた.これまで,高齢者福祉施設や保育施設への訪問を重ねて行く中で,対象者のロボットへの認知の違いが見えてきた. そこで,訪問の際に録画していたビデオより,発話語数をカウントし相違点を分析した.その結果,高齢者にとっては,人が直接的なコミュニケーションの相手となり,ロボットは会話の話題やきっかけや会話を円滑にするためのサポータ的役割を担ったことがわかった.一方,幼児にとっては, ロボットが直接的なコミュニケーションの相手となり,人は会話のサポータ的役割を担ったことがわかった.
(14)移動型センサネットワークにおけるネットワーク長寿命化方式
芝浦工業大学大学院理工学研究科システム理工学専攻 修士2年
(新津善弘研究室)澁谷 優貴
<概要>
移動型センサネットワークでは,ノードが移動してセンシングを行うことができることから,ノード数が少ない環境や人が探索することができないような環境でのセンシングが期待されている.移動型センサネットワークでは,ノードが移動してデータを収集するので通信だけでなく,移動でも電力を消費する.そのためにノードの移動制御に関する研究がなされている.提案方式では,データを特定の箇所に集め,特定のノードが回収することによりノードの移動距離・通信量を減らし,ネットワークの長寿命化を図る.
(15)クラウドと自律分散協調におけるM2Mシステムアーキテクチャ
芝浦工業大学大学院理工学研究科 システム理工学専攻 修士2年
(井上雅裕研究室)金井 理史
<概要>
従来のネットワークに繋がる機器が増えM2Mが注目される中で、各機器はすべてクラウド内で管理がされていた。本研究では災害時などにネットワークが遮断された時でも機器が状況に応じた動作を実行可能にするために、従来では考慮されてこなかったデバイス同士の自律分散強調を含めた設計を行う。本内容としては各デバイスにSCと言うECHONET LITEを規格としたスマートグリッドを持たせ、SCがクラウドからそれぞれの機器にあった動作ファイルをダウンロードして保持しておくことで、非常時でも遅延なく動作を可能とするものである。評価としては、従来アーキテクチャと提案アーキテクチャで複数のシナリオを作成し、アンケートによる評価を行う。
Ⅳ.講演
産学公連携M2M共同開発事例報告・・・・・・・・・・16:30~16:45
「高齢糖尿病患者の重症化を予防する 在宅インスリン療法見守システム」
創価女子短大 准教授
亀田 多江先生
(株)HIROICT研究所
渡辺 透 取締役
<概要>
概要:近年、高齢糖尿病患者の増加に伴い、高齢の在宅インスリン療養患者が増えており、認知症などで自己注射が正しく行えていないことが原因で、重症化するケースが増えている。
本発表では、高齢糖尿病患者の在宅インスリン療法の継続を支援する「インスリン見守りシステム」の開発と実施実験について発表する。
システムは、注射器の格納容器に開閉・取戻センサーを取付けモニタリングするものである。数週間の試験運用を行った後、実際の患者数人に導入し、1週間ずつ運用し、システムの妥当性を評価した。
本取組みは、HIRO研究所のSIPを活用したM2Mシステム技術と創価女子短大の高齢者見守り研究、更には医療従事者の現場の声を生かした取組みである。
◆◆◆5号館2階 IKOBA(アクティブラーニング室)移動◆◆◆
Ⅴ.学生研究発表会講演 その2(デモンストレーション)
・・・・・・・・・・16:50~17:50
各ブースにて発表①~⑬実機またはパネルを使ってのプレゼン,デモ,意見交換を行います。
◆◆◆生協食堂へ移動◆◆◆
交流会・・・・・・・・・・18:00~19:00
参加企業紹介、パネルを基に自由討議
司会:M2M研究会 副理事長 吉田 利夫
閉会挨拶:M2M研究会 副理事長 飯田 秀正
以上